燦美の宿 旅館かわなのハートフル情報
創業101年目となる2020年3月、玄関まわりの段差を解消するスロープと館内多目的トイレを追加施工。床から45㎝高くした小上がりから浴室にアクセスできる2つの客室も加わりました。みんながくつろげる宿にしたい、そんな経営者の想いをかたちに試行錯誤を重ね、現在進行形で少しずつユニバーサル対応の拡充に努めている宿。
館内の段差・傾斜 | 玄関まわりに段差はあるが、常設のスロープがあり、客室までの導線上に段差なし。客室内・食事処・各湯処などに一部に段差あり。 |
---|---|
車いす | 客室内はタイヤカバーを付けてご利用ください。タイヤカバーはご持参ください。 |
トイレ | 1階に1箇所、多目的トイレあり(オストメイト対応なし)。客室内はすべて温水洗浄機能付き一般洋式トイレ。 |
貸出備品 | 介助用車椅子1台、杖1本、シャワーチェアー1台(背もたれ有り・ひじ掛け無し) |
お食事 | 朝食・夕食とも1階の食事処で提供。食事処は個室もあり。特別食のご要望等は、事前に一度ご相談ください(直前のリクエストは対応が難しい場合あり)。 |
アクセス
首都圏西部から好アクセス。東京湾アクアライン千葉県側の玄関口・国道16号線沿いで営む全16室。近隣の漁師町やビーチとは趣の異なる、ダイナミックな工業港の景色は町の特徴のひとつ。
駐車場には17台ほどの車両の駐車が可能。優先駐車スペースは常設していませんが、宿へ事前に相談すると玄関近くのスペースを確保してくれます。
入口前の駐車場は9台のスペースです。事前相談で玄関近くのスペースを確保してくれます。
館に隣接した駐車場以外に、第2駐車場もあります。
交通機関
①JR内房線 君津駅(宿から約3.5km):君津駅のバリアフリー情報はこちら(JR東日本のページに移行します)
②JR内房線 青堀駅(宿から約1.3km):エレベーターなし
君津駅はエレベーターがあり、車いすでの利用に対応しています。
旅館かわなでは送迎サービスを行っていない為、上記2つの駅から宿までは、タクシー等のご利用をお願いします。
その他、燦美の宿かわなアクセス(かわな 公式サイトに移行します)
◆参考情報◆
株式会社オールプロジェクト 訪問介護事業所つばさ
TEL 0439-57-6665
君津駅発または青堀駅発、かわな旅館着のコースのみで往復3,000円 / 1週間前までの予約制。
ヘルパーは同乗しません。ご家族の同乗は可能ですが人数を事前にご連絡願います。透析患者や急変患者、緊急患者を優先に配車するので予約時間より遅れることもあります。
※最新の価格や条件等、詳しくは直接お問い合わせください。
館内設備
玄関
館の玄関前に3段の階段がありますが、スロープを併設しました。スロープを上る時の左側に手すりあり。
階段は1段あたりの高さ(蹴上)約13cm、奥行き(踏面)40cm。
スロープ横幅は131cm。傾斜角は最大で4度。
L字の通路で中間は傾斜のないフラットなスペースです(Ⓑ)。Ⓐの距離は151cm。
L字の後半の通路を車椅子で登る様子。
Ⓐの距離は222cm。
館の入口は風除室があり、館内には自動ドアを2つ通って進入します。2つの自動ドア開口幅はどちらも約130㎝(Ⓐ・Ⓑ)。
館内に進入すると、履物を脱ぐ踏込エリア。靴を脱いで、2段の階段を上がりると、床面は毛足の短い絨毯敷き。階段1段あたりの高さ(蹴上)約16㎝、奥行き(踏面)約50㎝。
玄関踏込には常設のスロープもあります。スロープ横幅85㎝、傾斜約10度、スロープ部分距離156㎝。車いすの館内利用時はタイヤカバーをご利用ください(ご持参ください)。
フロント・待合スペース
館内に進入して右手側にフロントがあります。チェックインは、フロントもしくは待合スペースの椅子・テーブルでも対応可能。
玄関で履物を脱いで進むと正面は待合スペース。宿への到着後・宿からの出発前の一休みにもどうぞ。
チェックイン時の説明など、待合スペースでも対応可能。
お土産コーナー
フロントの並び(フロントに向かって左側)のスペースでは、ちょっとした土産物を販売しています。客室への動線にあり、取材同行の車いすユーザーの目の高さで品物が見える位置にありました。買い物のサポートが必要な場合は気兼ねなくスタッフにお声がけください(他のお客様の接客中の際などは少々お待ちいただく場合があります)。
エレベーター(館内1基)
出入り口幅79cm、内部奥行120cm、内部横幅104cm。押しボタンは浮き出し文字になっています。
※鏡、手すり、音声案内、点字、延長ボタンはありません。
多目的トイレ
1階のお食事会場の奥に、多目的トイレを作りました。
入口の扉は引戸(左引)。開口幅75cm(Ⓐ)。
便座先端から壁までの距離は75cm(Ⓐ)。便座に座った時の右側に、L字型の手すりが、左側には跳ね上げ式の手すりあり。
トイレ内の角に洗面台あり。洗面台下の高さ70cm(Ⓐ)。
食事
朝・夕のお食事は、1階の食事処でのご用意となります。畳の上に、テーブルと椅子をセットしています。車いすはタイヤカバーをつけてご利用ください(ご持参ください)。食事処でのお食事が難しい場合は事前にご相談ください。
特別食(アレルギー食や刻み食・ミキサー食・柔らかくなるまで調理する等)のリクエストは可能な範囲で対応検討いたしますので、事前にご相談ください。
食事処「饗庭」(あえば)
廊下から畳の食事処への境目に6cmの段差があります。宿は、この段差をうめる簡易の小さな渡し板を準備してくれましたが、取材同行した車椅子ユーザーは段この差を越えることができました。
テーブル席同士は、すだれで仕切られていました。透けて向こう側が見えるタイプですが、直接的な視線を感じにくく、窓からの明かりは遮りませんでした。
車椅子のままでも足元がテーブル下に収まりやすいようにと、テーブル下65㎝の仕様に統一しました。椅子への移乗の際、サポートが必要な場合はスタッフにお声がけください。
人数に合わせ、間仕切りで広さを調整できる畳の個室(広間)もあり。入口のスライドドア開口幅85cm・段差4cm。
椅子とテーブルの他、座卓での用意も可能。お子様用の椅子のご用意があります(数に限りあり)。
客室情報
客室は2階及び3階。チェックイン時はスタッフが客室へ案内しますので、安心して1階から客室までの動線を確認できます。
当サイトに掲載している客室の共通情報
車いす
客室内では車椅子にタイヤカバーを付けてご利用ください。タイヤカバーはご持参ください。
ベッド
和布団でお休みいただくお部屋でも、簡易ベッドの搬入ができる部屋もあります。ご相談ください(施設で1台の所有です。空き状況により対応できない場合があります)。
シャワーチェアー
背もたれ有り・肘掛け無しタイプ1台あり。数に限りがありますので事前予約をお勧めいたします。
※当サイトでは一部の客室情報を公開しています。掲載のない客室については、旅館かわな公式サイトからご確認ください。
▼各客室情報は以下ご覧ください。
3階306号室「レトロ」
定員5名(最大 和布団3組+座卓スペースに和布団2組 ※エキストラベッドは搬入できないお部屋です)
小上がりから四角い湯舟のある浴室へアクセスできる客室
和洋室「優」
定員4名。備え付けのベッド2台あり(3・4名様目には和布団をご用意)。8畳の居間と6畳のベッドルームの、畳2間のお部屋。客室内の浴室はシャワーブースのみ(バスタブなし)。
大浴場(1階)
【ご一読ください】
・大浴場は1つです。時間帯で区切り、男女を交互にご案内しています。
・貸切風呂ではありません。
※ただし、繁忙時間帯を避け可能な範囲で、宿は各お客様の要望に対応しております。他のお客様と共同でご利用いただく際は、車いすは脱衣所・浴室内では使えません。ご了承ください。
大浴場は、1階の廊下にある“のれん”の先です。
大浴場への入り口のスライドドア(Ⓐ)76cm。通路幅(Ⓑ)77cm。脱衣所手前で履物を脱ぎ、かまち(Ⓒ)幅80cm・段差16cmを上がります。
脱衣場から浴室への入り口はスライドドア(Ⓐ)幅87cm・段差7cm。ベンチ(Ⓑ)高さ41cm、洗面台下(Ⓒ)50㎝。
【ご一読ください】大浴場は貸切風呂ではありません。繁忙日・繁忙時間帯を除き、かつ宿側の判断で、グループでの貸切をご案内できた場合のみ写真のようにご自身の車いすを脱衣所・浴室内でご利用いただけます。
1階 大浴場 浴槽データ
洗い場足元から浴槽の縁までの高さ27cm、浴槽の縁の幅23cm、浴槽内に1段、段差あり。
屋上階の貸切り風呂(※階段利用が必須です)
宿の屋上は、構造上の4階にあたります。エレベーターが利用できるのは3階までのため、4階の屋上階には23段の階段を使う必要があります。
3階から露天風呂のある4階の屋上階へは、23段の階段(途中、10段目に踊り場あり)を使う必要があります(エレベーターは3階までしか使えません)。階段を上る際の左側片側に手すりあり。
4階の屋上階まで階段を上りきると、屋上へのドア(幅76cm・段差9cm)があります。
「旅館かわな」川名社長に聞きました
2020年3月「旅館かわな」は、バリアフリー化をはかる改修工事を完了。玄関周りのスロープ、1階の多目的トイレ、そして2つの客室を新設しました。
Q. 改修工事を決めたきっかけは?
以前からら車椅子を常用なさる方を含むグループのお客様にご利用いただいていました。ご不便をかけている思いはありましたが、お部屋の中の様子は我々スタッフには見えません。何度かお迎えを繰り返すうち、思い切って聞いてみたことがきっかけになったと思います。
教えてくれた状況・状態は、お客様により様々。使い勝手も人それぞれと、改めて気付かされました。ご縁をいただいた当事者おひとりの事例を理解することから始めました。知っているだけで対応でききることもあり、勉強になりました。
同時に、当時は2020東京オリンピック・パラリンピック前で、宿屋にユニバーサルデザインを求める機運も高まっていました。全館工事は難しくても、少しづつの改修ならやってみよう、世の中に背中を押しされた感じです。
Q.これから「旅館かわな」は、どうなっていくのでしょう?
今回のリニューアルでは、浴室付きの客室を2つ作りました。客室内でなるべく滞在を完結できるようにしました。ですが当館は屋上4階の貸切露天風呂も売りのひとつ。ご来館いただいたみんなにご利用いただきたい。今は、3階から屋上階へはエレベーターが通じていないので階段利用が必須です。当館はユニバーサルデザインのまだまだ道半ば。ハード面・ソフト面とも、学びと手入れを重ねて、こつこつバージョンアップしていきたいです。
川名社長、ありがとうございました!
お話しの聞き手は、鴨川未来倶楽部 佐藤翔太さん(写真・右)